「イヤ!」という言葉を、一日に何十回聞く時期が来る。
ごはんもイヤ、着替えもイヤ、お風呂もイヤ、帰るのもイヤ。理由がわからないまま全拒否される日が続くと、こちらも感情的になってくる。この時期に怒鳴ってしまったパパは、たぶん少なくない。僕もそうだった。
イヤイヤ期は1歳半ごろから始まって、2歳ごろにピークを迎える。子どもの自我が芽生えている証拠で、発達として正常な過程だ。そうわかっていても、毎日向き合うのはきつい。
イヤイヤ期の本質を理解する
子どもが「イヤ」と言うのは、反抗しているのではなく「自分でやりたい」「自分で決めたい」という気持ちの表れだ。言葉が追いつかないから「イヤ」しか出てこない。
この前提を持っているかどうかで、対応が変わる。「また駄々をこねている」ではなく「自分の意思を伝えようとしている」と捉えると、少しだけ気持ちが楽になる。
実際に効いた対処法
選択肢を与える
「着替えなさい」ではなく「赤と青、どっちを着る?」と聞く。自分で選んだという感覚が生まれると、驚くほどすんなり動くことがある。選択肢はかならず2択にして、どちらを選んでも問題ない範囲で設定するのがポイントだ。
先に予告する
「あと5分で帰るよ」と事前に伝えておく。突然「帰ろう」と言われると子どもは切り替えられない。予告があると心の準備ができて、スムーズに動けることが増えた。
感情を否定しない
泣いているときに「泣かないの」と言っても逆効果だ。「悲しかったんだね」「嫌だったんだね」と気持ちを代弁してあげると、子どもが落ち着くまでの時間が短くなる。感情を受け止めてもらえた安心感が、次の行動につながる。
パパが感情的になりそうなときの対処法
限界が来たら、その場を5分離れることだ。子どもを安全な場所に置いて、別の部屋で深呼吸する。これは逃げではなく、自分を整えるための行動だ。
怒鳴ってしまった後は引きずらないことが大事だ。「さっきは大きな声を出してごめんね」と子どもに言える親でいられれば、それで十分だ。完璧な親を目指す必要はない。
イヤイヤ期が終わるとき
3歳に近づくにつれ、言葉が増えて「イヤ」以外の表現ができるようになる。「これがしたい」「あれはいやだけどこっちならいい」という交渉ができるようになってくる。
イヤイヤ期の山を越えたとき、子どもとのコミュニケーションが一段階深くなった感覚があった。あの時期があったから、今の関係がある。そう思えるようになるのは、少し後のことだけど。